日常生活にだんだんと浸透してきたIT。いや、それどころか、もはや生活ときってもきれない大切なツールになりましたね。今後、AI(人工知能)が我々から仕事を奪う時代がくる、なんて見聞きします。そこをビジネスチャンスと考える人や、ただ『へ〜、そんなもんかいな』と聞き流す人など、捉え方は様々。ですが、こと教育業界においてはその速度(つまり人からICT、AIへ指導のバトンタッチ)がドンドン速くなっているように感じます。AI教育・ICT教育導入の波にのまれ現場が混乱しないか、ちょっと心配です。
ところで、自由塾町屋教室は開校以来、【ことばの学校】をはじめとするICT教育にも積極的な学習塾です。ただ、こうしたクラスって、コンセプトを寺子屋と謳う私達の校風とはあわないのでは?という声もあるでしょう。これが、たしかに学生がみんな黙って勉強する自学自習塾ならちょっと違和感あるかもしれません。また、そういった用途(つまりICTうまく活用できちゃう生徒)で映像教材を使うのであれば(使いこなせるのであれば)、塾になんて来なくてもよろしいわけで。今も昔も学校の勉強は学校で完結できるタイプの生徒はちゃあんといて、そういう子に対して自由塾の映像教材はいいよ、とか、やっぱりICTだよね、って言うつもりはないです。また、使いこなせない子(とか、誘惑に打ち勝てない子)は、やっぱり自宅で何していいかわからないとか、ありとあらゆる言い訳を用いてやらないことの方がおおいみたい。入塾相談でよく聞く、それまで通塾経験のない子の特徴として、大概参考書や通信教育を受講しているのですが、実態は机の上に教材が積みっぱなしなんです。とか、忙しくてやりきれてないって言うんです、というお悩みをお持ちのご家庭、多いのではないでしょうか?
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ICT教育の問題点と血の通った授業
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自由塾の各映像授業はチュートリアルのように少人数制で、各々担任が付いています。これを保護者に伝えるだけでまず驚かれますが(他の学習塾は一体どんな手抜き授業をしているんだ笑)、イメージは反転授業で、インプットのみタブレットを使用します。ですから、反復・演習は通常通り講師の指示を仰ぎ、採点解説もこちらがやります。コースによっては完全に子どもに任せて、講師は進め方のコンサルのみなんてケースもあります。個別指導ですから、そっちの方がうまく行く、と感じたらそのようにさせています。それでもキッチリ苦手で受講しはじめた理科で100点持ってくる生徒もいます。大したものです。ブラボー。ことばの学校がうまく機能した自由塾では、視覚・聴覚から入るインプット方式がスムーズに理解できる子供が多い事に気付き、手段として【理社プラス】や【都立中高一貫校プラスNEW】を導入したというわけです。進め方のコンサルはこちらでやりますから、ICTに投げっぱなしという事はありません。また、授業ではインプットした事柄を発表してもらう事で、演習以外にもちゃんとアウトプットさせるように指示しています。通信プラス授業でお互いの弱点を補強する形です。一度解説を聞いてピンと来なくても繰り返せるのは映像授業の良い所かもしれませんね。弱点を浮き彫りに出来れば、あとは出来るまで繰り返す。まさに練習ってやつですね。それは部活も勉強も同じことです。いわれなくても一度ヒットしただけではだめだ、と毎日素振りはするし、一度覚えただけではコンクールが心配だから、と毎日ラッパを吹くのだろう?
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自由塾町屋教室は、どう舵をきるか
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この先、このICTの波が教育界を席捲することは目に見えています。だからといって我々もオールインで乗っかる、とは現時点で私はまだ考えていません。礼儀作法や、多少回り道になっても何度も基礎を反復すること・解きなおしの重要性を説く場面は、やはり目をしっかりと見て指導したい所です。ひらめいた時に【びびび】と電気が入るあの瞬間。何度もトライしてやっと解けるようになった問題を共に喜び、ハイタッチしたいのです。